ユーキャンボールペン字講座第3巻
第3巻、行書の学習
- はじめに
- この巻の学習の進め方
- 第1巻学習計画票
- 行書的ひらがなのレッスン
- 点画に丸みをつける
- 点画を連続させる。省略する
- 点画の形が変わる、筆順が変わる
- 行書かな交じり文
1日目、行書に調和するひらがな①
ひらがなも連続や線の省略で行書的に書いてみましょう
行書で書く場合は、楷書の時よりも線の省略や連続が行われます。また全体に丸みが生まれるのも、行書の特徴です。ひらがなも楷書的に書くのではなく、省略や連続線が出るようにすると、行書にうまく調和するようになります。
2日目、行書に調和するひらがな②
リズミカルに緩急をつけてペンを運びましょう
行書で書く場合は、楷書の時よりも速い筆運びでリズミカルに書くようにしてください。これはひらがなの場合も同様です。ひらがなを書く場合のポイントは、速度に緩急をつけて書くことです。
3日目、ひらがなの言葉を書いてみよう
ひらがなを書く時の注意点は、たての線が中心より右にあるか左にあるかを常に確認しましょう。やさしい二字連綿(二字を見える線で続けること)の練習もしてみましょう。
4日目、長いひらがなの言葉を書いてみよう
長い言葉になった場合は、たて書きでも横書きでも流れの美しさを出すように注意することが重要です。縦書きでは連綿を入れても構いません。連綿を用いることで、たてへの流れを強調することができ、速く書くこともできます。
5日目、「はこがまえ」と「くにがまえ」の書き方
「はこがまえ」は左下の折れに少し丸みをつけよう
「はこがまえ」を書く時の注意点は、まず筆順です。かまえの中に入る部分を、中心よりも少し右にずらして書くと、まとまりのある形になります。また左下の折れは少し丸みをつけて書くのがポイントです。
「くにがまえ」は右のたて画を左よりも長めに書こう
「くにがまえ」を書く時のポイントは、2画目にあるたて画の最後を1画目よりも下に出して書くことです。さらに中に入る部分をやや上に収めることも大切です。また行書らしいやわらかさを演出するには、右上の折れに丸みをつけてみましょう。
6日目、丁と力を含む漢字
「丁」の2画目は真横にはねるのがポイント
「丁」の2画目のはねは、上にはねるのではありません。左方向に、真横にはねるようにしましょう。すると文字がとがらずに丸みが生まれます。また1画目と2画目を連続させる気持ちで書くと、美しい字になります。
「力」は1画目の折れを丸めて書きましょう
「力」を書く場合は、1画目の折れに少し丸みをつけて書きましょう。折れの部分で少しだけ右下に引き、すぐに左下に書くことで丸みを演出することができます。また1画目の最後のはねは、角度を90度ぐらいにすると中がゆったりとします。
7日目、子と寸を含む漢字
「子」は1、2画目の丸め方に気をつけて
「子」を書く時は、楷書の場合よりも全体的に丸く書きましょう。しかし1、2画目を数字の「3」のように書いてしまうと、不格好な字になってしまうので気をつけてください。また下のはねの位置は中心に書くように心掛けてください。
「寸」は最後の点を曲線的に打つのがポイント
「寸」の2画目のはねは、約60度の角度で大きくはね、気持ちを次の点に続けるようにしましょう。最後の点も、はねからの動きの続きで柔らかな曲線で書くようにすると美しい字になります。点は中心よりも少し左の位置に打つと安定した形になります。
8日目、山と口を含む漢字
山は点画どうしを少し離して書くのがポイント
「山」を書く場合は、2画目の折れは角張らないように注意してください。外側に膨らませて書くと、文字に丸みが生まれます。さらに1画目、2画目、3画目をそれぞれ少しずつ離して書いてみましょう。文字に明るさが生まれます。
「口」は2画目を外に膨らませるのがポイント
「口」を書く場合、2画目と3画目は続けて書きます。ここでのポイントは、2画目の左下方向へ運ぶ線を、外側に膨らませて書くことです。そうすることで文字に丸みが生まれ、中も広くなります。3画目の横画は、1画目の最後よりも少し上に書くようにしましょう。
9日目、熟語の練習をしましょう
5日目から8日目に学習した漢字や部品を用いて、熟語の練習をしましょう。書く時の注意点は、中心のそろえ方と文字の大小のバランスです。これらの点に気をつけながら、熟語の練習してみましょう。
10日目、文章の練習をしましょう
漢字を書く時よりも、ひらがなは小さめに書きます。しかし、小さすぎてもいけません。またひらがなの中でも、大きく書く字や小さく書く字があります。それぞれの字幅の違いに気をつけながら、文字の大小を学習してください。
11日目、「さんずい」と「営」の書き方
「さんずい」は2画目と3画目を続けて書きましょう
行書体で「さんずい」を書く場合、1画目と2画目を離して書きます。そして2画目と3画目は、続けて書くのが一般的な書き方です。ここでのポイントは、2画目と3画目を続けた線を左に少し膨らませ、はね上げる線をやや長めに書くことです。
「営」は3画目を下に突き出すのがポイント
「さんずい」と同様に、1画目と2画目を離し、2画目と3画目は続けて書くのが一般的な書き方です。そして2画目と3画目を続けた線を、上の方向に少し膨らませます。また左下に向かって払う線は、1画目より下に突き出して書くのがポイントです。
12日目、「まだれ」と「れんが」の書き方
「まだれ」は横画と左払いを続けて書きましょう
例えば「広」などのように「まだれ」の中に入る字の画数が少ない場合は、「フ」のように書きます。しかし中に入る字の画数が多い場合は、広く空けるようにしましょう。中に入る部分は中心よりも少し右にずらして書くと、安定した形になります。
「れんが」は3つの点を続けるつもりで書きましょう
「れんが」は「れっか」とも言います。行書体で書く場合は、4つの点を続けて書く書き方もありますが、波形にして書くと、スピーディーにテンポよく書くことができます。この書き方でのポイントは、3つの点を続けて書くようにすることです。
13日目、土と弓を含む漢字
「土」は点画の流れが切れないように書きましょう
「土」を書く場合、2画目と3画目は続けても続けなくても構いません。ただし、流れが途切れないように注意をしましょう。「つちへん」を書く時も同じように書いて構いませんが、2画目、3画目を「レ」のように書く書き方もあります。
偏になる「弓」は左側をそろえるのがポイント
「弓」を書く場合、3画とも続けて書く場合がほとんどです。しかし2画目と3画目を離してもいいです。「ゆみへん」を書く場合のポイントは、左側にそろえて、たて長に書くことです。そうすると、バランスのいい字形になります。
14日目、日と王を含む漢字
「日」は中に入る2本の横画を短く書きましょう
「日」の3画目と4画目は、続けて書いても続けなくても、どちらでもいいです。ただ書く時のポイントは、横画を短くし、中の余白を広めにとって明るさを演出することです。また右の折れは、角張らないように気をつけて書きましょう。
「王」の3画目は右側を短くするのがポイント
「王」を書く時は、3画目と4画目を続けて書きます。しかし2画目から4画目までを続けて書く書き方もあります。引き締まった字にするには、3画目の右に出す部分を短くすることです。さらに2画目と4画目はつけないようにすると美しく見えます。
15日目、竹と心を含む漢字
「たけかんむり」は最後を払って書きましょう
「竹」を書く場合は、1画目2画目と、4画目5画目を続けて書く方が書きやすいです。ただ慣れてきたら、1画目から3画目までを連続させて書くテクニックも身につけましょう。「たけかんむり」を書く時は、最後の画は次の画に向けて払いましょう。
「心」は1画目、2画目の下をそろえて書きましょう
楷書体と同様、「心」を書く時は1画目の下と2画目の下を横にそろえると、バランスのいい字になります。2画目から3画目の点までの書き方は、左回転の三角形を描くように続けて書くことがポイントです。そうすることで、行書らしい流れのある字形になります。また3画目と4画目を続けて書く書き方もあります。
16日目、「きへん」と「のぎへん」の書き方
「きへん」は3画目を右上にはねて書きましょう
行書で「きへん」を書く場合、3画目の最後は払わずに折り返します。そしてつくりの1画目に向けてはね上げましょう。4画目は省略します。折り返す位置は、2画目の書き終わりより上になるようにすることが、美しく書くポイントです。
「のぎへん」は5画目を省略するのがポイント
「のぎへん」は、「きへん」の上部に「ノ」をつけた字です。だから「木」の部分に関しては、「きへん」の書き方と全く同じと考えてください。「のぎへん」を書くポイントは、4画目の左払いを右上にはね上げ、5画目を書かずに省略することです。
17日目、「こめへん」と「ごんべん」の書き方
「こめへん」は「きへん」に2つ点をつけた形
「こめへん」を書く場合は、「きへん」の上部に左右の点をつけた形です。ですから1画目、2画目を書いた後は、行書で「きへん」を書く場合と同じ書き方になります。しかし上にたて画を長く突き出す部分は、「きへん」と異なります。
18日目、雨と馬を含む漢字
「雨」は左の2点を1点に省略するのがポイント
楷書で「雨」を書く場合は4つ点を打ちますが、行書では左の2つの点は連続して書くことになり、1つの点を省略させるのが一般的な書き方です。バランスのいい形に書くためには、左のたて画を少し短めにし、右側を大きく構えることがポイントです。
19日目、熟語の練習をしましょう
11日目から18日目までで学習した漢字や部品を使って、熟語を書く練習をしてみましょう。ここで注意すべきことは、文字の大きさの釣り合いと文字の幅の違いです。
20日目、文章の練習をしましょう
文章を書くときの注意点は、文字の大小のバランスに気をつけることと、中心をそろえて書くことです。罫の中央に書く練習をしましょう。そうすることで、文字の中心が把握できるようになります。
21日目、「ひとがしら」「こと」の書き方
「ひとがしら」は2画目を払わずに軽く止めましょう
行書で「ひとがしら」を書く場合は、たいていは止めの形にすることがほとんどです。また止めた後、次の線に向かって小さくはねる場合もあります。最後はうねって止める形もありますが、まずは真っ直ぐに止める形を身につけましょう。
「こと」の真ん中の横画は突き出さないように書こう
楷書の場合は真ん中の横画が右に突き出しますが、行書で書く場合は突き出さずに「ヨ」のように書きましょう。この書き方が、昔から用いられてきた伝統的な字形です。こちらの方が、字が交錯しないのですっきりとしており、また書きやすいです。
22日目、「あなかんむり」と「あしへん」の書き方
「あなかんむり」は4画目を点にする場合もあります
「あなかんむり」の書き方には、右へ曲げる書き方と、斜めの点のように書く書き方の2つがあります。あなたの好みに合わせて書きましょう。まずは書きやすい方を身につけてください。2画目を左下の方向に引くと、かんむりの下が広々とします。
「あしへん」は、一般的には一筆で下部を書きます
行書体で「あしへん」を書く場合には、幾つかの形があります。しかし昔から伝統的に用いられてきた書き方は、一筆で下部を書く方法です。普段あまり見慣れない字形なので最初は戸惑うかもしれませんが、慣れるとなめらかに書くことができます。
23日目、小と水を含む漢字
「小」は2画目の点を左に傾けて書きましょう
「小」を書く時には、2画目の点を左に傾けると、その流れで3画目に続けることができます。行書で「小」を書く時に大切なことは、1画目~3画目までのつながりを保つことです。さらに右の点を左の点より上に打つと、バランスのいい字形になります。
「水」は2画目を右上にはねて書きましょう
「水」を書く時には2画目の左払いを払わずに、止めるようにします。そして3画目に向けて右上に跳ね上げるように筆を動かしましょう。4画目の最後は、払うのではなく止めます。またここでは、うねって止める形もあります。2画目の折れの部分は、たて画にくっつかないように注意することもポイントです。
24日目、大と火を含む漢字
「大」は横画の払いの長さに気をつけましょう
「大」を行書で書く時は、基本的には右の払いを止めます。また「奈」などのように左右の払いを長く書く時には、横画を短めにしましょう。さらに「美」など横画を長く書く時には、右の払いを短くすると安定した字形になります。
「火」の左の点は、垂直に書こう
「火」の1画目の点は、ほぼ垂直に書きます。そして次の2画目の点に向けて、小さくはねましょう。安定した字形を作るためには、3画目の途中まで垂直に書くことがポイントです。4画目は「大」と同じように、払わずに止める形をまず身につけてください。
25日目、走と門を含む漢字
「走」は4、5画目を変形させ一筆で書きましょう
「走」の行書体を書く場合には、昔から使用されてきた伝統的な形を身につけることが大切です。楷書の形をそのままやわらかい線で書いても構いませんが、流れるように書いた方が形を整えやすくスムーズに書くことができます。
「門」は2画目を短いたて画に書きましょう
行書体で「門」を書く場合は、楷書に近い形でも構いません。しかし古くから用いられている伝統的な形も知っておきましょう。伝統的な形で書く場合のポイントは、1画目よりも2画目を高い位置に書くことです。
26日目、「くさかんむり」と「ふるとり」の書き方
「くさかんむり」は最後に横画を書くと綺麗な流れになります
「くさかんむり」を書く際、楷書体と同じ形をやわらかい線で書いても構いません。しかし流れをよくするには、最後に横画を書くようにしましょう。2画目の払う方向に気をつけながら、1画目と3画目の間は広く空けるように心掛けてください。
「ふるとり」は左のたて画を長めに書きます
「ふるとり」の伝統的な行書は、楷書とは形も筆順も違います。ただし、どちらの場合も美しい字形にするには、左のたて画を思い切って長く伸ばすことです。横画は左のたて画につけない方が、見栄えがいいです。
27日目、「しめすへん」と「ころもへん」の書き方
「しめすへん」は1画目の真下にたて画を書きます
伝統的な「しめすへん」の形は、筆順が違います。1画目の真下にたて画を書きましょう。そうすることで文字の形が美しくなり、つくりへのつながりもスムーズになります。
「ころもへん」の行書は「しめすへん」と全く同じ形です
伝統的な「ころもへん」の書き方は、「しめすへん」と全く同じ形になります。そのため「ころもへん」か「しめすへんか」を見分ける方法は、つくりの形から判断することになるのです。
28日目、「いとへん」と「みみへん」の書き方
「いとへん」は1~3画目を続けて書きます
「いとへん」を書く時には、1~3画目を続けて書きます。その後、下の3つの点を左から順番に書いていきます。慣れてくると、それを続けて書いてみましょう。
「みみへん」はつくりにつなげやすい筆順で書きましょう
「みみへん」は一字で「耳」と書く場合と、筆順が変わってきます。一つの文字に対して、正しい筆順は一つだけというわけではありません。つくりへのつながりがスムーズな筆順があることも知っておきましょう。
29日目、熟語の練習をしよう
21日目から28日目で学習した漢字や部品を使って、熟語を書いてみましょう。文字を罫の中央に収めるポイントは、文字の左右の空白を同じようにすることです。
30日目、文章の練習をしよう
中心をそろえる際に重要なことは、次の文字を書く時に、前の文字に対してどのあたりから書き始めるかということです。また字幅の違いに気をつけて、大小の書き分けをするように心掛けてください。
31日目、1行の文を書く①
流れのある行書らしい書き方をするポイントは、前の字の最後の画を書いた後、流れを途切れないようにすることです。流れの続きで、次の文字の1画目を書くように心掛けてください。
32日目、1行の文を書く②
横書きを美しく書くポイントは、以下の2つです。
1、文字の大きさが同じに見えるように、高さをそろえる。
2、横画(横の線)の方向を少し右上がりにそろえる
33日目、2行の文を書こう①
たて書きを美しく書く最大のポイントは、とにかく書き慣れることです。流れを生むテクニックを知っていても、書き慣れないと思うようにペンは動きません。なるべくたくさん練習することが、美しく書く秘訣です。
34日目、2行の文を書く②
ひらがなの「は」や「に」、もしくは「ま、よ、し、せ」などは、横書きを行書で書く時には最後の線を右に払いましょう。横への流れが滑らかになり、速く書くことができます。
35日目、2行の文を書く③
ひらがなの「し、う、り」などは、一字で書く時よりもたて長に伸ばして書くように心掛けます。たて書きの美しさを表現するには、たてへの流れを強調することが大切です。